「日商簿記3級に受かったけど履歴書に書くべきなんだろうか?」
「2級以上で評価されるから、3級で履歴書に書くのは微妙って知人に言われた」
「履歴書にどう書いたらいいの?」
などなど、この記事を読んでいる方は上記のようなことで悩んでいるのではないでしょうか。
私も知人に「日商簿記は2級まで取らなくちゃ意味がない!」「3級だけだとむしろマイナス評価になるよ」と言われていたので、履歴書は2級からしか記入すべきではないと思っていました。
しかし実際のところ、3級でも履歴書に書くことは全然アリです!
この記事では、「どんな状況でも3級から履歴書に書いても問題ないのか」「履歴書にどう書いたらいいのか」など、アピールするテクニックや注意点などを踏まえ詳しく解説していきます。
何級から履歴書に書くべき?
前文でこの答えについては軽く触れましたが、日商簿記何級から書くか問題は「3級からでも書いてOK!」です。
3級は世間的に「簿記の基礎だから履歴書に書くのは恥ずかしい」などとよく耳にし、履歴書に書かくべきか悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
確かに2級と比べると基礎的な要素が多く、また工業簿記も試験に含まれていないのでそういう風に見られがちなところもあります。
しかしながら、3級といえども実際に試験を受けて受かる人は半分にも満たないですし、きっと受かった人はしっかり勉強して受かっているはずです。
3級を持っているというだけでも評価に値することになりますので、自信をもって堂々と履歴書に書きましょう。
業務においても簿記の基礎知識があるということである程度企業の業績をつかむことができ、簡単な財務諸表を読み取ることが可能ですし、活躍が期待できます。
ただ、税理士事務所や会計士など簿記2級以上の知識が求められる職種では通用しない可能性が高いので、その点は注意が必要です。
その他の職種であれば3級で充分アピールできますので、しっかり記入することをおすすめします。
面接や履歴書でアピールするテクニック
面接や履歴書のちょっとしたテクニックで、日商簿記3級でも印象良くアピールすることもできます。
前文でお伝えした通り自信をもって堂々と履歴書に書いてOKですが、あくまで資格の評価対象としては2級と違って強いものではありません。
その資格を持っているだけで面接の評価がグッとアップしたり、同じ企業に応募しているライバルに大きく差をつけられたりといった期待はあまりできません。
そんな事を言われると、「やっぱり履歴書に書く意味ないんじゃないの?」って不安になりますよね。
しかし、世の中には資格欄に日商簿記3級のみの記載でポンポン内定を勝ち取っている人がいます。
以下から、面接や履歴書でアピールできるちょっとしたテクニックをご紹介します。
面接では「将来のアピールポイント」として活用する!
私の職場の同僚にも、営業職ですが同様の条件で内定をもらっている人がおり、どのようにアピールしたのか聞いてみました。
同僚が言うには、面接時に「日商簿記3級を取得したことをあえてアピールした」との事でした。
どのようにしたのかというと「現在は3級しか取得していませんが、将来的に2級を取得予定ですので現在勉強中です。簿記の観点から損益分岐や利益を的確に提案できる人材になり御社に貢献したいです!」と面接官に期待感を持ってもらえるようにアピールしたようです。
つまり、簿記3級の資格を「評価アップ」としてではなく「将来のアピールポイント」として活用したみたいです。
このように直接的なアピールができなくても、少し工夫をして高評価につなげる事も可能です。
履歴書では話のネタを振ってもらえるように意識!
履歴書にも同様に将来のアピールポイントという形で記入することができます。
例えば、資格欄に記入した日商簿記3級の後ろに(現在2級勉強中)と記入したり、もしくは備考欄などに記入してみるのもありです。
「〇〇年〇〇月取得予定」という感じで具体的に書くと、そこに向けて勉強しているというのがより明確に伝わるので、更に印象は良くなるでしょうね。
書いてみることで面接官に話のネタとして聞いてもらえる可能性が増えますし、これは案外有効的です。
というか、こうして備考欄などに書いてあると、10回やれば7,8回(もしかしたら全部)は面接官から触れてもらえるはずです。
触れてもらえればこっちのモノで、前述したような面接でのアピール方法を利用して、しっかり自分を売り込みましょう。
これは就職や転職活動に使えますので是非参考にしてみてください。
なお、簿記2級以上が求められる応募先によっては、実力不足と判断されてかえってマイナスイメージになりかねないので注意しましょう。
簿記履歴書正しい記入方法
さて、上記でも触れたように、日商簿記3級でも資格欄にしっかり記入すれば、就職や転職活動において自己PRできることはお分かりいただけたと思います。
履歴書に記入する際には、知っておくべきルールや抑えておくべきポイントがありますので、ここから詳しく説明していきます。
簿記の種類・正式名称
まず簿記資格ですが、「簿記3級=日商簿記3級」ではありません。
簿記資格にも様々な種類がありますので、しっかり覚えておきましょう。
- 日商簿記検定
「日本商工会議所」が主催の簿記検定 - 全商簿記検定
「全国商業高等学校協会」が主催の簿記検定 - 全経簿記検定
「全国経理教育協会」が主催の簿記検定 - その他
農業簿記、建設簿記、漁業簿記、銀行簿記
などが挙げられます。
それぞれどのような内容の検定なのか見ていきましょう。
日商簿記
まず日商簿記検定ですが、正式名称は「日本商工会議所及び各地商工会議所主催簿記検定試験」とかなり長いものとなっております。
全国で最も有名な簿記資格となっており、まさに「世間一般的な簿記イメージ=日商簿記」と思えるくらいです。
実際に就職の求人広告やハローワークの内容を見ていても、「簿記〇級資格取得者優遇・応募資格(簿記〇級以上有資格者)」などと記載されている場合があり、日商簿記とは記載されていませんが、このような募集内容は決まって日商簿記が対象となりますので、企業からの期待も大きく求められやすい資格となっております。
全商簿記
次に全商簿記検定ですが、正式名称は「全国商業高等学校協会主催簿記実務検定」となり、その名の通り、経理・会計の入門編で学生向けの資格ですので、受験者の大半は商業高校の生徒です。
「学校で学んだ学習成果を確認する」という側面も持つ検定のため、日商簿記に比べると難易度は低めに設定されています。
全商簿記の1級取得を推薦入試の基準にしている大学もあるとの事ですが、高卒新卒の就活以外ではあまり効果は得られないでしょう。
全経簿記
次に全経簿記ですが、正式名称は「社団法人全国経理教育協会主催簿記能力検定試験」です。
全商簿記が商業高校の生徒向けの検定であるのに対し、全経簿記は社団法人全国経理教育協会が主催する経理・会計専門学校の学生向けの資格となっております。
難易度としては、全商簿記より高く日商簿記より少し低めの設定となっています。
分かりやすく言うと、全経簿記2級なら日商簿記3級レベル、全経簿記1級なら日商簿記2級レベルくらいになります。
主に日商簿記を受ける前の予行演習として受ける専門学生が多く、中には知識向上のために受ける社会人もいるようです。
なお、1級より上の階級には上級があり、それに合格すれば税理士試験の受験資格が付与されるというメリットもあります。
その他
上記以外にも農業簿記・建築簿記・漁業簿記・銀行簿記などがあります。
例えば農業簿記であれば、実践的な原価計算や生産する作物別に会計処理を行うであったりなどの農業特有の特徴があります。
農業・建築・漁業・銀行など読んで字の如くそれぞれの業種に特化した簿記となっています。
これらの資格は単体で取得するのではなく、日商簿記2級や3級プラスαでダブルライセンスとして取得する人が多いようです。
特殊な業界を目指す方は、これらの簿記資格を取得しておくと書類選考や面接で有利になることが想定できますので、挑戦されてみてはいかがでしょうか。
履歴書の資格欄への記入方法と注意点
次に履歴書への書き方についてご説明いたします。
まず履歴書への最もNGな書き方は「簿記検定〇級」と記載することです。
前文でもご説明しましたが簿記にも種類がありますので、この書き方だと何の簿記資格なのかさっぱり分かりませんよね。
なので、必ずどの種類の簿記検定資格なのか分かるように記入してください。
例えば日商簿記3級であれば、「日本商工会議所簿記検定試験3級」と記入してください。
世間一般的なルールとして各検定の正式名称で書くのが常識となっているので、「あれ?正式名称じゃないぞ」って思うかもしれません。
しかし簿記に関しては正式名称が長すぎて逆に分かり辛くなることから、省略して記入するのがスタンダードとなっています。
あと注意すべき点としては、履歴書に記入する日付です。
多くの方が記入する日付を「合格日なのか?取得日なのか?」と迷う傾向にありますが、ここはややこしく考える必要はありません。
シンプルに試験合格後発行される合格証書に記載されている年月日を書けば問題ありません。
その他には履歴書に記入している内容で、西暦と元号が混在していて統一していないであったり、漢字間違いなど細かいところになりますが、このあたりも採用に響きますので十分注意してください。
あと、当たり前ですが嘘の内容を書くのは必ずNGですので気をつけてくださいね。
まとめ
ここまで、「簿記は何級から履歴書に書けるのか」や「履歴書の書き方や面接でのアピールテクニック」などを解説してきました。
日商簿記3級は書くべきかどうか悩むラインとなりますが、結論としては自信をもって堂々と履歴書に書くべきです。
面接などでしっかりアピールできるなら、正直どの種類の簿記資格であっても履歴書には書けます。
しかし、文句なしで即戦力として高評価を得られるとなれば、やはり日商簿記2級以上になりますね。
職種によって簿記の必要性や価値観は違いますので、目指す職種の業務内容や特徴を理解してチャレンジしていきましょう!