これから簿記の資格を取得しようと考えておられる方にとって、どのような学習方法で勉強するかは非常に大事な要素となります。
学習方法としては独学、通信講座、通学講座の3つに大別されますが、中でも簿記検定2級、1級については独学での取得は難易度が高いと言われていますし、自ずと通信講座か通学講座かの選択になってくるかと思います。
ただ、簿記の講座の数は非常に多く、どの講座を選ぶべきか迷われる方も多いでしょう。
そんな中で、各講座の試験合格率というのは講座を選ぶ上でひとつの指標となると思いますので、この記事では講座毎の合格率がチェックできる方法をお伝えしたいと思います。
条件付きではありますが、なかなか有効な手段だと思いますので、是非参考にしてみて下さい!
教育訓練給付制度の検索システムで合格率がわかる!
各資格学校の一部の講座については教育訓練給付制度の指定講座となっているものがあり、この指定講座を修了すると受講料の最大20%が返ってくるという、受講生にとって非常にありがたい制度となっています。
しかし、この制度は全ての講座が対象となるわけではなく、資格学校側も様々なハードルをクリアしてはじめて指定対象講座として認定を受けることができるので、教育訓練給付制度が適用されている講座はその時点で比較的優秀であるといえます。
で、なぜこの制度を利用して合格率がわかるのかというと、教育訓練給付制度の指定講座と認定された資格学校は、受講者数や合格者数といった情報を管轄する厚生労働省に報告する義務が生じ、その情報は我々一般人でもインターネットを介して閲覧することが可能なんです。
もちろんこういった情報を知れるという事は、どの講座が合格率がいいとか、あそこは値段の割に合格率が低いな…とかが全て分かってしまうというわけです。
では、この検索システムはどのように利用すればいいのかを画像付きで解説していきますね。
合格率がサクッとわかる教育訓練給付制度の検索システムの使い方
ここからは教育訓練給付制度の検索システムの使い方について解説していきます。
目的のページにたどり着くまでにはいくつか手順を踏む必要がありますので、初めは解説画像の通りに進めてみて下さい。
検索システムのホームページは以下です。
本編に入る前に操作上の注意事項
検索方法の解説の前に、覚えておいた方がいい操作上のルールをご説明しておきます。
通常、私たちがインターネットで何か調べ物をしていた場合、ひとつ前のページに戻りたい時はブラウザのバックボタンを押して前のページに戻る方がほとんどではないかと思うのですが、この検索システムではその動作が正常なものとして判断してくれないので、以下のように「一画面戻る」のボタンを押して戻るようにして下さい。
最初はこれに気がつかず、何度やってもエラーになるのでかなりイライラしていました…(^^;
では、本題に入っていきます。
手順その1:「分野・資格名から検索」を選択
まずは「教育訓練給付制度 検索システム」のトップページから、「分野・資格名から検索」をクリックします。
手順その2:各検索条件にチェックを入れて「検索」をクリック
検索条件最初の「実施方法」の欄では「通信講座」と「eラーニング」にチェックを入れ、2つ下の「制度」欄で「一般教育訓練」を選択します。通信講座以外も調べたい場合は他にもチェックを入れればOKですが、量が非常に多くなってしまうので、ここでは「通信講座」と「eラーニング」の2つにしておきます。
そこからブラウザを少し下の方にスクロールさせると「分野・資格名」欄の【事務関係】のカテゴリに「簿記検定試験(日商簿記)」というのが見えてきますのでチェックを入れ、その後「検索」ボタンをクリックして下さい。
手順その3:確認したい資格学校をクリック
検索結果として対象となる資格学校が表示されますので、確認したい資格学校をクリックましょう。
例では「クレアール」を選択しています。
手順その4:確認したい講座を選択
クレアールでは現時点(2019年3月)で3件の講座が出てきますので、更に詳細を確認したい講座の「詳細情報」をクリックします。
手順その5:合格率を確認する
このページまで来ると、その講座の受講者数や受験率、合格率といった詳細を確認することができます。
その他、「受講者に対する習得度・理解度についての具体的な助言・指導方法」や「受講中・修了時における資格取得・就職へのバックアップ体制」などの情報も掲載されているので、講座検討の際に参考にされると良いかと思います。
ちなみに、合格率などの詳細は直近3年分までしか確認できませんので、その点は頭に置いておいて下さい。
簿記検定の詳細データを一部抜粋してみた
ここからは、先ほどの検索条件で調べた場合の詳細データを一部抜粋して掲載してみます。
今回使用するのは平成28年度のデータになります。
※3級が合格対象として指定されている講座はありませんので、2級と1級のみです。
2級の合格対象講座
講座名 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
2級合格コース DVD通信 |
24人 | 11人 | 45.8% |
2級合格コース Web通信 |
39人 | 27人 | 69.2% |
3級から学ぶ2級合格コース Web通信 |
22人 | 10人 | 45.5% |
3級・2級W合格コース Web通信 |
4人 | 3人 | 75.0% |
講座名 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
簿記検定2級ダイレクト合格本科生 DVD・Web通信 |
356人 | 175人 | 49.2% |
簿記検定3・2級ステップ合格本科生 DVD・Web通信 |
402人 | 95人 | 23.6% |
簿記検定2級合格本科生 DVD・Web通信 |
524人 | 175人 | 33.4% |
講座名 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
簿記検定2級パック | 61人 | 27人 | 44.3% |
簿記検定マスター講座 | 48人 | 17人 | 35.4% |
講座名 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
日商簿記2級標準コース | 155人 | 75人 | 48.4% |
講座名 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
簿記検定バリューセット2 | 69人 | 40人 | 58.0% |
講座名 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
簿記2級講座 | 7人 | 0人 | 0.0% |
1級の合格対象講座
講座名 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
日商簿記1級経験者合格コース | 22人 | 1人 | 4.5% |
日商簿記1級標準コース | 30人 | 3人 | 10.0% |
日商簿記1級標準コース 3月開講 |
22人 | 2人 | 9.1% |
日商簿記1級速修コース | 39人 | 4人 | 10.3% |
講座名 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
簿記通信講座1級合格コース Web通信9ヵ月 |
12人 | 2人 | 16.7% |
簿記通信講座1級合格コース Web通信6ヵ月 |
12人 | 2人 | 16.7% |
講座名 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
簿記検定1級合格本科生 DVD・Web通信 |
125人 | 29人 | 23.2% |
簿記検定1級合格本科生ロング DVD・Web通信 |
125人 | 29人 | 23.2% |
講座名 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
簿記検定1級フルパック | 15人 | 5人 | 33.3% |
抜粋したデータから読み解ける事
当サイトの別記事でも過去10回分の合格率平均を出しておりますが、2級は23.9%、1級は9.6%となっていますので、教育訓練給付の指定講座はおおむね平均合格率よりも高く、期待値もかなり高いということがわかります。
とはいえ、これはあくまでも教育訓練給付制度を利用した方のみを対象とした数値になりますので、全ての通信講座で数字を出すと大なり小なり誤差は出てくるでしょう。
教育訓練給付制度利用者の母数がそんなに多くないですし、この検索システムの数値だけを指標として通信講座を選択するのは少々危険かと思います。
いくら合格率が高いといっても、そもそも自分に合った講座でなければ挫折する確率が高くなるだけですし、最終的にはどれだけ自分にマッチした講座を選べるかにかかってくると思います。
通信講座を選ぶ際のポイントとしては以下の4つが挙げられます。
- 受講料
- テキストの質
- 講義教材
- 受講生サポート
これらの事項は誰もが「そんなことわかってるよ」と思うようなものばかりですが、意外とここまでしっかりチェックして講座を選んでいる方は少ないものです。
上記に挙げたポイントを確認し、なおかつこの記事でもご紹介した教育訓練給付制度の合格率も参考にして選べれば、より自分の学習スタイルに合った合格率の高い講座を選択できるのではないでしょうか。
当サイトでも通信講座を選ぶ際のポイントを別記事でまとめていますので、こちらも是非参考にしてみて下さいね^^