日商簿記検定では、2級・3級の同時受験(併願)をすることが可能です。
管理人のkazは数年前に日商簿記2級・3級の同時受験をして合格した経験がありますので、自身の経験も元によくある以下のような疑問にお答えしようと思います。
「同時受験のメリット・デメリットは?」
「同時合格を目指すのに必要な学習時間やおすすめの勉強方法は?」
「受験当日の注意点とかある?」
などなど、その他、日商簿記2級・3級同時受験をするにあたって有益な情報なども書いておりますので、是非参考にしてみて下さい!
日商簿記2級・3級の同時受験はするべき?どっちかに絞った方が良い?
まず、この記事をご覧の方の中で一番多いのは「そもそも同時受験するべき?どっちか一方に絞った方が良い?」という疑問をお持ちの方ではないでしょうか。
結論から言うと、「人によります」
「は?何それ?答えになってないじゃないか!」とブチギレるのは待って下さいw
皆さん各々置かれている状況が違いますし、目指す目標も人それぞれだと思うので、「絶対こうするべき!」とは言い切れないんですね。
では、どんな方が同時受験するべきなのでしょうか?
私が考える日商簿記2級・3級同時受験をした方が良いと思う方は以下の2パターンです。
- 3級は合格の自信があるが、2級は怪しいという方
- 2級合格の自信もあるが、最低でも3級だけは今回取らないとマズイ方
ちなみに管理人は上記の中で「2級合格の自信もあるが、最低でも3級だけは今回取らないとマズイ方」に当てはまっていたので同時受験しました。
前職まで全く経理の仕事などしたことがない中で、次はどうしても経理という職種に就きたかったため、最低でも3級合格は確保しておきたかったためです。
逆に、「3級合格もあまり自信ない。。」という方は、悪いことは言わないので3級だけに絞りましょうw
「絶対に2級合格の自信がある!」「3級なんて保険かけずに自分を追い込んだ方がいい結果が出せる!」という方は2級のみという選択肢ももちろんアリだと思います。
日商簿記2級・3級同時受験のメリット・デメリットは?
上記で日商簿記2級・3級同時受験は人によっては全然アリというお話をしましたが、同時受験にはメリットだけでなくデメリットもあるという点は知っておきましょう。
まず、日商簿記2級・3級同時受験におけるメリットを見てみましょう。
- 3級合格に自信があれば、2級に落ちても3級の取得はできる
- 勉強期間を短縮できる
- 試験範囲が被っている部分もあるので、効率的に勉強できる
先程もチラッと申し上げましたが、私自身「3級だけは何としても取得しておきたい」という中で同時受験を選択しましたので、こういった方にとっては同時受験はかなりメリットがあるでしょう。
あと、日商簿記2級と3級では試験範囲が被っている部分も少なからずありますので、効率的に学習が進められ、その分勉強時間を短縮できるというのもメリットとして挙げられます。
というか、2級を勉強するにしてもベースとして3級の知識が必要なため、2級から勉強するといっても3級も勉強してることになるんですけどねw
では、逆に日商簿記2級・3級同時受験におけるデメリットはどのようなものがあるでしょうか。
- 受験料が無駄になってしまう可能性がある
- 試験当日の負担がまぁまぁ大きい
- 保険をかけたことによる気の緩みが起こる可能性がある
デメリットとしては、まず2つとも合格した場合に受験料が無駄になる点が挙げられますね。
2つとも合格するに越したことはないですが、そうすると「3級受けなくても良かったじゃん」ってなりますよね。まぁこれは完全に結果論ですがw
あと、日商簿記2級と3級を同時受験しようとした場合、試験日午前中に3級の試験、同日午後に2級の試験を受験することになります。
そのため、試験当日にそれなりに集中力や体力を使いますので、1つの級に絞るよりも確実に負担は大きくなるのもデメリットのひとつ。
本来は2級取得を目指していたが、保険で3級を受験することによって気の緩みが生じ、本命の2級が不合格になる可能性が高くなるというデメリットも挙げられます。
このように、日商簿記2級・3級の同時受験にはメリットとデメリットの両方がありますので、これらも加味した上で判断していただければいいかなと思います。
管理人が日商簿記2級・3級同時受験で合格した勉強方法や要した時間
冒頭でも申し上げたとおり、私も日商簿記2級・3級同時受験で合格した経験がありますので、少しでも皆さんの参考になればと思い当時の勉強方法や要した時間などをお伝えしようと思います。
管理人がとった日商簿記2級・3級同時受験時の勉強方法
日商簿記2級・3級同時受験を目指すにあたって、私は通信講座を受講するという選択をしました。
理由としては以下の3つが挙げられます。
- 3級は独学でも合格できそうだったが、2級は独学では厳しそうに感じた
- 通学講座だと受講料が高いところが多く、リーズナブルに勉強できる方法を取りたかった
- 自分の好きな時間に好きな量だけ勉強したかった
実際、日商簿記3級に関しては独学で挑まれる方も結構多いようですが、2級からは難易度もグッと上がるため、通信講座や通学講座を受講される方がかなり増えるそうです。
私自身、どういった勉強方法でいくか迷っている時、2級のテキストで工業簿記のパートを見て完全に「あ、こりゃ独学は無理だ」と悟りましたw
また、通学ではなく通信講座にしたという点については、リーズナブルに受講できる講座が多い点と、自由に学習スケジュールを組めるという点を魅力に感じたためです。
私は休職中に簿記の勉強をしていたためそこまで時間に縛りはありませんでしたが、働きながら取得を目指すという方にとっては、通信講座の学習スケジュールの柔軟性はかなり大きいのではないかなと思います。
なお、当サイトで「2級3級がセットになってる通信講座おすすめ5選」という記事も書いておりますので、こちらも参考にしつつ講座を選んでいただければ宜しいかなと思います^^
また、勉強を進めていくにあたってインプットばかりにならないようにするという点には気をつけました。
通信講座だとどうしても講義を視聴するというインプットの時間が多くなってしまいがちですので、1つの章が終わったらインプットにかけた時間の3倍はアウトプットに使うように意識しました。
簿記は特にどれだけ多くの問題に触れるかというのが大切になってくる資格試験ですので、アウトプットの量を増やさないと触れられる問題の数も少なくなってしまいます。
どんなパターンの問題が出ても対処できるように、色々なパターンの問題を解くことを心がけていただければいいかと思います。
合格まで要した勉強時間は?
一般的に、日商簿記各級の合格までに必要な勉強時間は、3級で50~100時間、2級で150~250時間と言われております。
で、管理人はと言うと、大体360時間ほど勉強しました。
内訳は以下のような感じです。
多分人生で1番勉強しましたw
私の場合、突然前の会社が倒産したということもあり、長い間休職状態を続けるわけにいかなかった点と、次の職種は経理に就きたいと考えたが、次の簿記試験が2ヶ月後だったため、1日あたりの勉強時間を長めにせざるを得なかった点がこのような学習時間になった要因です。
3級100時間+2級250時間でも350時間くらいになるため、皆さんも大体このくらいを目安にしていただければいいのではないかと思います。
仮に350時間を目標に学習計画を組むとした場合、以下のようなパターンでも十分間に合う計算になります。
平日 | 1日3時間 | 66日 | 198時間 |
休日 | 1日7時間 | 24日 | 168時間 |
合計 | 366時間 |
平日 | 1日1時間 | 132日 | 132時間 |
休日 | 1日5時間 | 48日 | 240時間 |
合計 | 372時間 |
だいぶザックリした計算ですが、こんな感じで学習していけば、合格に必要とされている勉強時間は確保することが可能です。
まぁ現実的に考えると、働きながら平日に勉強時間を確保するのって結構大変ですので、6ヶ月スパンくらいで考えておくのが一番無難かなとは思います。
あと、上の項でも申し上げたとおり、2級と3級を同時受験するメリットのひとつとして「学習範囲が被っている部分があるため効率的に学習を進められる」ということもありますので、300時間前後を目標にしても良いかもしれませんね。
そのあたりはご自身の学習の進み具合なんかで判断していただければと思います。
なお、資格試験対策における勉強時間の作り方と使い方を解説した記事もご用意しております。
スキマ時間の作り方など詳しく書いてますので、こちらの記事もぜひ参考にして下さい!
同時受験って体力的にきつい?集中力続く?受験当日の注意点など
同時受験のデメリットの項目で、「試験当日の負担がまぁまぁ大きい」という点を挙げました。
同時受験を考えておられる方の多くが、この「集中力は続くのか?体力的にしんどくないのか?」という部分を不安に思っておられるのではないでしょうか。
もちろん、1つだけに絞るよりは確実に疲れも出ますし、集中力が切れる場面も多くなってしまうかもしれません。
ただ、同時受験経験者の管理人から言わせていただくと、そこまで懸念する必要はないです。
同時受験を目指す皆さんというのは、3級取得が目標ではなく、あくまでも2級取得が目標ですよね?
でしたら、3級の試験は「アイドリング」くらいの気持ちで挑めば良いのではないでしょうか。
一応言っておくと、別に3級を馬鹿にしているわけではありませんw
ただ、あくまでも2級取得が最終的な目標ならば、それくらいの気の持ちようでないと2級合格は遠のいてしまうと思うんです。
あと、同時受験をされる方は、数回は本番と同じような時間のサイクルで勉強しておくことをオススメします。
- 09:00~11:00 3級試験
- 昼休憩
- 13:30~15:30 2級試験
上記の本番の流れに合わせて何回か勉強をしておくことで、体がそのサイクルに少なからず慣れてくれます。
本番いきなりこの時間帯で試験に挑み、「午後一番は眠くて全然集中できなかった。。」なんてなったら笑えません。
先に本番の時間帯を経験しておくことで、「自分は午後一番は集中力がないな」とか「3級の時間帯は眠いな」とか色々気づけるはずです。
事前に集中力がない時間帯とかが分かれば対策も取れますよね。
これは私だけでなく多くの方がそうだと思いますので注意点として挙げたいのですが、午後一番って眠くなりがちです。
これは多くの場合、昼ご飯の食べ方に原因があると思います。
私たちの体は、胃の中に入ってきた食べ物を消化するために胃が消化活動を始めますが、その活動に伴って他の消化器官も活発化するので、全身の血液が内臓に流れ、頭に血が回らなくなります。
その結果、「頭がボーッとする」「眠気がすごい」といった現象を引き起こします。
もちろん何も食べるなとは言いませんが、お昼ご飯はホドホドにして、どれだけ食べても腹6分目くらいにしておくのがベストだと思います。
ちなみに私自身はおにぎり1個とサラダだけにしました。
試験においては、「腹が減っては戦ができぬ」はむしろ逆というわけですねw
日商簿記2級・3級同時受験の申込方法
日商簿記検定は、全国各地にある商工会議所を通じて申込を行うのですが、申込方法のみならず申込期日や合格発表の日付なども申し込む商工会議所によって変わってきます。
そのため、申込方法についてはご自身が申し込まれる商工会議所のホームページを見ていただくかたちになります。
当サイトで日商簿記の試験概要についてまとめている記事(全国の商工会議所も網羅してます)がありますので、そちらも有効活用していただければと思います。
なお、2級・3級同時受験の方は1つの級ごとに申し込むのではなく、しっかり“併願”として申し込んで下さいね。
級毎に申し込んでしまうと、下手したら2級と3級で試験会場が変わってしまう可能性があるのでご注意下さい!
まとめ
この記事では、日商簿記2級・3級を同時受験しようとお考えの方に向けた内容でお届けしてきました。
同時受験となると、ネット上では「体力、集中力が持たない」とか「併願なんて保険は甘えだ!」みたいな否定派の意見が多く見受けられますが、私はそうは思いません。
まぁ自分が同時受験で合格してるっていうのもありますが(笑)結局、その人の現状に合ってるか合ってないかの話だと思うんです。
当記事で同時受験のメリット・デメリットや、「こういう方は同時受験をした方がいい!」というお話をしてきましたので、その内容も踏まえた上で、ご自身に合った選択をしていただければと思います!
もし、同時受験を決意されたのであれば、この記事でもご紹介した勉強方法や勉強時間、当日の注意点なども参考にしていただければ幸いです^^