これは簿記試験のみならずどんな資格試験であっても、試験に挑む上で学習計画を立てるということは非常に重要です。
皆さんは旅行に行くときはある程度計画を立てていきますよね?
もちろんどこまで細かく計画するかは人それぞれだと思いますが、空港に行ってから沖縄にするか北海道にするか決めよう!なんていう強者はまずいないでしょうw
まぁ例えはかなりぶっ飛んでるパターンですが、勉強となるとこれくらいザックリした計画しか立てない方が多いのも事実です。
行き当たりばったりで適当に学習してしまうと時間効率が悪くなったり、最悪合格できないという事態にもなりかねません。
そこでこの記事では、簿記試験の学習計画を立てるうえで絶対に外せない3つのポイントをご紹介していきますので、一緒に見ていきましょう!
ポイント1:勉強開始時期を1日の勉強時間から算出する
学習計画を立てる上でまず確認しておきたいのが、自分は1日にどれだけの時間を試験勉強に充てられるかということです。
これをしっかり把握できていないと、かなり無茶な計画を立ててしまって挫折したり、もっと勉強できるのに学習時間を短く見積もりすぎて、試験直前に必死になるという試験不合格まっしぐらパターンになってしまいます。
サラリーマンや専業主婦、学生など、今の自分の立ち位置によって1日に確保できる勉強時間はかなり変わってくるでしょうし、まずは自分が1日でどれくらい学習に充てられる時間があるかを棚卸ししてみて下さい。
棚卸しをして、1日に勉強に使える時間が大体把握できたら、自分が受験しようと思っている級の合格目安時間を参考に、いつ頃から勉強を始めればいいかを考えます。
一般的には、各級の合格までに必要な勉強時間は以下のように言われています。
- 3級 50~100時間
- 2級 150~250時間
- 1級 500~800時間
当サイトの別記事でも勉強の目安時間について詳しく掘り下げた記事がありますので、こちらもよかったら参考にしてみて下さい。
で、自分が1日に勉強に使える時間と学習目安時間がわかれば、あとは試験日から逆算して計画を立てていくことで合格に必要とされている学習時間を確保する事ができるはずです。
例えば、2級を合格するのに必要な目安の学習時間を250時間として、1日に2時間学習時間を取れるとした場合、250時間÷2時間で125日で合格できる知識にたどり着けるとザックリ計算できます。
125日というと約4ヶ月ですから、試験の約4ヶ月前から学習を始めればいいということがわかります。
ポイント2:大まかな計画を立てておく
自分が1日に勉強に充てられる時間を把握でき、勉強開始時期もおおよそ決まったら、次は大まかにいつ頃どのような勉強をするかというのを決めてしまいましょう。
最初から細かい計画を立てようとすると、それぞれの学習に充てる期間の調整も難しくなってしまいますので、まずは枠組みを決めてから詳細を決めるという流れが基本になります。
で、おおまかな枠組みとしては、前半から順番に「馴らし期間」「インプット期間」「アウトプット期間」という感じで3つのカテゴリーに分けることをオススメします。
それぞれの期間にどういった事をするのかをまとめてみましたのでご覧下さい。
馴らし期間
馴らし期間というのは読んで字の通り、簿記というものに触れて慣れるための期間で、目安としては1週間~2週間くらいをこの期間に充てるのがいいかと思います。
簿記は専門的な言葉が多く出てくる資格試験になりますので、初学者の方はこの期間に簿記というものの全体像をおおまかに把握してしまいましょう。
勉強を始めたての頃はやる気もあるでしょうし、「そんな時間もったいないから本編にいきなり入る!」という方もいらっしゃるかもしれませんが、まだ聞き慣れない言葉だらけでテキストを読んでもいちいち調べたりしないといけないでしょうし、かなり効率が悪いです。
ですので、まずは簿記のガイド本やテキストなどをザックリ読み、大体の流れとどんな問題が出るのかを把握しましょう。
わからない単語などが出てきたらその都度意味を調べていくのがベストです。
なお、すでに簿記試験の学習経験がある方などはこの期間は省略されても構いませんが、自分が現状持っている知識が合っているかの確認作業をしておくと、より理解が深まって良いかと思います。
※3級から2級、2級から1級へとステップアップする場合は、新しい試験範囲が出てくることもありこの期間は設けておいた方がいいです!
インプット期間
馴らし期間が終われば、いよいよ本編のインプット期間に入ります。
この期間は、テキストなどを使って知識を頭の中にどんどん貯め込んでいきましょう。
資格学校の講座を取っている方であれば、この時期から順次受講することになります。
この時期のポイントとしては、わからないところが出てきたら悩んでいないで次の項目に進んでいくということです。
どうしても最初から全て理解するというのは難しいですし、わからないところでいつまでも悩んでいる時間が勿体ないです。
一度つまづいてしまうと学習意欲が一気に無くなる可能性も高まりますので、モチベーションをしっかり保つためにも「学習が進んでいる」という感覚を途切れささないよう、次の項目を学習しましょう。
わからない部分に関してはまた別で学習する時間設ければいいですし、一度その項目から離れて戻ってくると、「あれ?なんでこんな事で悩んでたんだ?」と、案外すんなり解けてしまうことも良くあります。
この期間にどれだけ多くの内容をインプットできるかがかなり重要になってきますので、この後のアウトプット期間に良いバトンをつなげるためにも、しっかりと知識量を増やして理解力を高めましょう。
アウトプット期間
最後のステップはアウトプット期間です。
これまでの学習期間で得た知識を元にどんどん答案練習に取り組んでいきましょう。
また、自分の実力を測るためにも模擬試験も最低1回は受けておくことをオススメします。
今は模擬試験だけを単科で申し込める資格学校も増えてきていますので、この辺りは是非活用していきたいところですね。
模擬試験を受けることによって改めて自分の苦手とする分野、得意な分野が見えてくるでしょうし、そこからどういったかたちで試験直前期を過ごすのかが変わってきます。
試験直前期の使い方については次の項目でお話ししますね。
ポイント3:試験直前期は反復学習で有効に使う!
ここまで、馴らし期間、インプット期間、アウトプット期間と学習をしてきて、試験まで2週間を切ったら最後の追い込みに入ります。
前項のアウトプット期間の最後でもお話した通り、模擬試験や答案練習で自分の苦手分野、得意分野がハッキリしたら、それをこの試験直前期をどう使うかを考えましょう。
簿記は1級を除いて、他の資格試験でよくあるような総合点数での合格ラインとは別に、科目別でも合格ラインが設定されているような足切り制度がある資格試験ではありませんので、苦手科目は思い切って捨ててしまい、試験直前期は得意分野は1点も取り逃さないように長所のブラッシュアップに使うのも1つの手です。(※1級に関しては4つある科目のうち、1つでも10点未満の科目があれば不合格なので注意!)
とはいえ、例えば簿記2級では商業簿記と工業簿記があるわけですが、工業簿記が苦手だからといって工業簿記を丸々捨ててしまうと40点分落とすことになり、商業簿記でいくら満点を取っても合格点の70点に届きませんので、そういった大雑把な捨て方はやめてくださいねw
管理人も工業簿記が苦手で苦痛で(笑)しょうがなかったですが、試験で出てくるのは学習した中の一部の範囲になるため、ある程度今回はここが出題されそうだなと予想を立てて、そこだけは苦手でもなんとか理解できるように問題を解きまくりました。
で、この試験直前期に問題を解きまくると、「記憶に残りやすい」というメリットがあります。
記憶を定着させるためには反復学習、つまりどれだけ繰り返し勉強をして体に染みこませるかということがカギになってくるわけですが、どの時期にこの反復学習をするかによって試験に多大な影響が出てきます。
人間は日が経つにつれてどんどん記憶が薄れていきますので、より記憶に残った状態で試験に挑むためには、試験日に近い日に反復学習するのが得策であるといえます。
反復学習をする時のポイント
試験日が近くなれば反復学習が有効とお話ししましたが、この反復学習も適当にするのではなく、できるだけ前日にやったことをその翌日に振り返るようにしましょう。
これは時間が経過するにつれて忘却率が上がるためで、心理学者のヘルマン・エビングハウスが唱えたエビングハウス忘却曲線によると、人は20分後には覚えたことの42%を忘れ、24時間後には67%、1ヶ月後経つと覚えたことの79%は忘れるとの研究結果を出されています。
ただ、24時間以内に反復学習をすることによって飛躍的に記憶の定着率が上がることも研究結果として出されているため、前日にやったことをその翌日に振り返るということが非常に大切なポイントになってきます。
ですので、苦手なところを克服したければ苦手な部分を、長所のブラッシュアップをしたければより強固な知識にしたい部分をこの反復学習を用いて学習するのが非常に効果的な勉強方法といえるのではないでしょうか。
まとめ
ここまで簿記試験の学習計画を立てるうえでのポイントを解説してきましたが、何もこれは簿記試験に限らず、学習するときには必ず必要なことだと思います。
計画を立てることで学習の進捗状況を把握できるだけでなく、前に進んでいるという感覚からモチベーション維持に繋がったり、毎日何を学習するかという事に悩む無駄な時間を削減できる点など、本当にいいことだらけです。
ただ、闇雲な計画では意味がなく、上で申し上げたように意味のある学習計画を立てることが大切です。
特に独学で勉強をされる方は、自分でしっかり学習計画を立てないと合格までかなり遠回りをしてしまう可能性もありますので、上記の3つのポイントをしっかり押さえて学習計画を組んでいくことをオススメします。
中でも、試験直前期に反復学習で記憶を定着させるというのが最大のポイントとなりますので、ここはあなたの学習計画にも忘れずに取り入れていただければと思います。
この記事が皆さんの学習計画を立てる上で参考になり、簿記試験合格への力になれば幸いです^^